猫の前庭障害とは

先日、我が家の猫が突然平衡感覚を失ってフラフラとなってしまいました。
突然のことで驚きましたが、犬や猫に見られる前庭障害ではないかという診断です。
我が家の猫の状態も含めて、前庭障害について説明します。
猫の前庭障害とは
前庭とは、内耳にある器官で、重力や運動速度を感知し、体の平衡感覚を司る器官です。
前庭障害はその名の通りで、前庭に何かしらの障害が起こることにより、体の平衡を保つことができなくなる症状です。
犬の場合、高齢になると発症しやすく、猫は年齢にはあまり関係なく発症すると言われています。
前庭障害には原因により分類されています。
猫の前庭障害の症状とは
症状としては、体の平衡が保てないため、頭のふらつき、小刻みに眼球が揺れる眼振、旋回、立てないなどです。
また、嘔吐や食欲の低下がみられることもあります。
猫の前庭障害の原因とは
猫の前庭障害の原因としては2つ考えられており、その原因により分類されています。
なお、前庭障害の検査は、耳の検査や既往歴、投薬歴などから原因の診断しますが、必要な場合はMRI検査も行います。
末梢神経系前庭障害
内耳にある神経に障害が起こることによる前庭障害です。
原因としては、内耳炎や中耳炎が多いですが、他にも脳や耳のケガ、ホルモン異常により発症する場合もあります。
中枢神経系前庭障害
脳の障害により起こる前庭障害です。
脳腫瘍や脳の外傷が原因となります。
特発性前庭障害
原因不明の前庭障害です。
脳や耳の検査や他の病気などの原因が除外される場合は、推測的に特発性と診断されることとなります。
猫の前庭障害の治療法は?
原因が明らかな場合は、それに応じた治療を行います。
耳の病気やケガなどの場合はその治療、ホルモン異常などの病気の場合は投薬などの治療を行います。
病気やケガが原因の場合はその治療を行うことで前庭障害の症状も改善していきますが、後遺症として斜頸などの症状が残ってしまう場合もあります。
特発性の場合は、直接的な治療はできないため、前庭障害から生じている症状の対処療法となります。
たとえば嘔吐がある場合は吐き気止め、食欲低下があれば食欲を増進するための治療を行うなどです。
特発性前庭障害の症状は数日~数週間のうちに徐々に改善することが多いですが、上述したように後遺症が残る場合もあります。
猫の前庭障害の予防法は病気の予防
前庭障害を直接予防できる方法はありませんが、耳の病気を防ぐために耳を清潔に保つ、猫に異常がないかどうか定期的な検診を受けることくらいです。
我が家の猫の前庭障害について
我が家の猫は、元気に遊んでいる途中で突然発症しました。
症状は頭のふらつき、眼振、起立不能です。
しかし、しばらくじっとさせていると、だんだん症状は治まり、10分後には眼振も全くなくなって体も正常の姿勢に戻って走ったりすることができるようになりました。
なので、発作に近いような気もするのですが・・・ただ、症状は前庭障害の症状なので、耳の異常などもなく特発性前庭障害ではないかという診断です。
予防はできず、また次にいつ発症するかもわからないため、非常に不安です。
猫の前庭障害の心の準備を
症状は前兆がなく突然起こることが多いため、飼い主もパニックになってしまうかもしれません。
ただ、後遺症は残る可能性はあるにしても、症状は時間が経過するごとに改善するものなので、落ち着いて対応しましょう。
私が猫の前庭障害に対して行っている準備は以下の通りです。
- 留守番中にカメラで猫に異常がないか確認
- 日々の猫の動きをきちんと観察して異常にすぐ気づけるようにする
- 発症した場合は、動画撮影をできるように心構えをしておく
猫が何も病気にならないのが一番ですが、もし猫に何か異常があった時も落ち着いて対応できるようになりたいですね。

