猫のワクチン接種が必要な理由

完全室内飼育の猫にもワクチンは必要?
猫が完全室内飼育の場合、他の病気の猫との接触は防げます。
ワクチン接種は義務ではないですが、以下のような理由からワクチン接種は必要だといわれます。
人間が外からウイルスを運んでくる可能性がある。
人間が外出中に感染どうぶつに触れてしまったり、排泄物を踏んでしまったりすることで、家の中に感染源を持ち込んでしまうことがあります。
いざという時に困ることがある。
たとえばいつもは室内で留守番をしている場合も、都合によってはペットホテルに猫を預けることになってしまうかもしれません。その場合、ホテルによってはワクチン接種が預ける条件になっているところがありますし、もし、ワクチン接種が条件ではない場合、他の猫から感染する可能性もあります。
また、万一災害などで猫とともに避難する場合にも他の猫との接触を避けられない場合もあります。
このような予想できない状況を予防するためにも日ごろから猫にワクチン接種をしておくとよいでしょう。
猫のワクチンの種類
猫のワクチンは以下の感染症を予防するものです。
- 猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症〈猫伝染性腸炎)
- 猫白血病ウィルス(FeLV)感染症
- 猫クラミジア感染症
ワクチンには3種、4種、5種とありますが、猫ウイルス性鼻気管炎~猫汎白血球減少症の予防ワクチンが3種、それに猫白血病ウィルス(FeLV)感染症の予防ワクチンを加えたものが4種、さらに猫クラミジア感染症の予防ワクチンを加えたものが5種です。
室内飼育で1匹のみの猫の場合は、3種のワクチン接種で良いでしょう。多頭飼いで保護猫を迎え入れている場合や今後その予定がある場合は、5種ワクチン接種をしておくと安心です。
猫のワクチン接種の頻度
生まれたばかりの子猫は、初乳(生後すぐに飲む母乳)の中に含まれる母親からの免疫(移行抗体)によって病気や感染から守られていますが、この移行抗体は生後数か月かけて徐々に消失していきます。
そのため、子猫は生後2~3か月ごろからワクチン接種を1か月程度の間隔で2~3回に分けて行います。
その後も定期的なワクチン接種をすることで免疫力が持続します。頻度は1年に1回程度が望ましいとされていますが、3年に1回でも良いという考え方もあるので、動物病院の先生と相談して猫に合った接種頻度での接種を行うようにしましょう。
猫のワクチンによる副反応は?
猫がワクチン接種を行った日は猫も安静にして過度な運動を避けるようにしましょう。また、ワクチン接種により猫に副反応が起こることもあるため、猫の様子を飼い主が確認できるようにしましょう。
猫のワクチン接種によりアナフィラキーショックが起こることもあり、他にも副反応としては以下のような症状が挙げられます。現在のワクチンでは副反応は非常に起こる可能性が低いです。
- 顔面の腫脹
- 皮膚の痒み、じんましん
- 嘔吐、下痢
- 発熱、元気消失
- 呼吸困難、虚脱
- 注射部位にしこり(肉腫)の発生
猫に異常が現れたらすぐに動物病院の先生に相談しましょう。特にアナフィラキーショックの場合、すぐに命の危険に関わる状態になることもあります。
猫のワクチンの費用は
猫のワクチン接種は3種で5,000円程度、4種や5種にしても10,000円未満であることがほとんどです。
猫がワクチン未接種でウイルスに感染した場合の医療費は非常に高額になることを考えると、1年に1回のワクチンの費用はそれほど高いものではないでしょう。
まとめ
猫にとってワクチン接種は必要です。猫の体にも少なからず負担にはなりますが、万一猫が病気になった時のつらさを考えれば、予防のためのワクチン接種をしておいたほうがよいでしょう。
動物病院の先生と相談して、猫の定期的なワクチン接種を行うようにしましょう。
